温泉慰安旅行 幻影旅団御一行様
Act.01





昼下がりのコーヒーブレイクが似合うその日、クロロから一本の電話があった。




――ガチャ




「もしもーし。」
『あっ、ケーか。早速だが温泉に行かないか?』
「…はいぃっ!?」
『途中まで迎えに行くから、3人とも軽く仕度をしといてくれ。』
「軽くって何日分だよっ!!」
『あぁ、3日分ぐらいでいいんじゃないか?じゃぁ、そゆことで。』
「あっ、クロロ!!!」




――ツーッツーッツー




「切れちまいやがった…。しゃぁねぇーな。セナぁシャナぁークロロが温泉連れてってくれるってさぁー。」


「やったぁー!!!!!!!!」
「いいわね、偶には。」







そしてあっという間に電車に乗っている3人。
(すいません。話が唐突で…)




「電車の旅っていいよなぁー。」
「来て良かっただろ、ケー。」
「まぁね。」



「おねーさん、冷凍みかん10個!!」
「こっちにビール30本くれぇ!!!!!」
「私、スルメがいいね。」

「あっ、フェイタン!!そのスルメよこせ!!」




ケイとクロロ独特のほのぼのムードを作り上げているなか、セナは冷凍みかんをウヴォーギンはビールを
フェイタンはスルメを買っていた。(セナにたった今強奪されたが…)


ふとケイが廻りを見渡すと2人程、旅団メンバーが足りないのに気付いた。




「あれ?メンバー足りなくないか?」
「…あぁ…。今回は自由参加制だからな。ヒソカとボノレノフは来ていない。」
「そっかー。温泉に行ってまで、あんな変態と遭いたく無いからなぁ……。」

「ケーは余程ヒソカが嫌いなんだな。」
「あぁ、大嫌いだ。」
(そんなに嫌いなんだな、ハートマークまで付けちゃって…)




ほろりと涙を流すクロロ………。
ヒソカが哀れにさえ思えてきたらしい…。







列車は窓に映す景色を変え、風ともう一つの何かを切る音を立てながら、その速度を速めていった。





「シャナぁー、アレなんだろうな……。」



セナが何かを見つけた。



「…さぁ…。無賃乗車ってヤツじゃないかしら。」

「えっ、誰がタダ乗りしてるの?」
「そんなヤツがいるのかい?」



シズクとマチが驚く中、パクノダは一人青ざめていた……。




「…ねぇ…。アレって…………っじゃない…?」
「げっ…。ホントだぁ………。」




パクノダが指差す方向を見るなり、マチはこの世の終わりのような顔をした。

どうやら女性陣はタダ乗り上等の不届きヤロウを発見したもよう……。
なんだかなぁ…………。












一方男性陣は………。




「ガハハー。焼酎もってこーい!!!!!!!」
「酒盛りだぁーー!!!!!!」





ノブナガとウヴォーギンが文字通り酒盛りをしていた……。
既に出来上がっている…。(どんだけ飲んだんだよ)


その横ではシャルナークが酒の勢いで日頃の不満をコルトピにぶつけていた。
ようは愚痴である…。

フェイタンはスルメを取られた哀しみから立ち直れず、席の端っこで蹲っていた。
相当重症である…。頑張れ、フェイタン!!


そしてフィンクスはぐっすりと寝ていた。(もちろんアイマスクは着用済み)


ケイはフランクリンと談笑を楽しんでいた。

クロロはどこかへ行っていていなかった。









色々あったようだが、列車の旅もあと少し……。





「っくっくっく………。」







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