夏の女装癖(兵器)1
ある夏の日、セナに呼び出されてホテルの一室にゴンたち四人は集まっていた。
「セナ遅いね。」
「全くだせ、人をこんなに待たせやがってよぉ!」
「何か、あったのではないだろうか?」
「セナのことだから、へーきじゃねぇ?」
こうして、約束の時間をとうに過ぎた今でも、セナが現れる気配はない。
全くと言っていいほどに…。
この場合では、レオリオが怒るのも無理は無い。
数分前にクラピカがセナの携帯に電話を入れたのだが、電源が切れているらしく繋がらなかった。
今か今かとセナを待っていると、ノック音が聞えた。
ゴンが一番にドアを開けると、そこにはセナではなく麦藁帽子を被ったブロンドロングヘアーの女が立っていた。
「お姉さん、誰?」
「私はラフェルっていいます。セナに呼び出されたんだけど…彼、いるかしら?」
「お姉さん、セナの友達なの?」
「セナにも女友達がいたんだな。」
どうでもいいことに感心するキルア。
すこし、セナに対して失礼なのでは…?
「んー、(多分)そうかな?」
少し米神を引く着かせながら、ラフェルは答えた。
でも、いまいちはっきりしない答えだ。
金髪の美少女ラフェルとゴンとキルアが仲良く話していると、レオリオが間に割って入った。
ナンパでもするつもりだろう。
いや、そうに違いない。
「君ぃ、綺麗だね。今度オレと食事に行かない?」
「いいですよ。」
「所で幾つ?付き合ってる人はいるのかい?」
「19です。スイマセン、彼氏がいるんですよ。」
「ちぇー、つまんねーの。」
「なんで、キルアが詰まんないのさ。」
「それはなー。」
「はいはい。おだまんなさい、子供達。」
「えー、なんで、どうしてレオリオぉー?」
レオリオのセクハラ混じりの発言にも、満面の笑顔で尚且つサラリを答えるラフェル。
まぁ、もちろん営業スマイル(70%)なのだが。
レオリオがまた喋りだそうだったので、呆れ顔のクラピカがレオリオのベシャリを中断させた。
「いい加減にしないか、レオリオ。ラフェルさんが困っているだろう。」
「いえ、そんなことないですよ。えっと…。」
「申し遅れた。私はクラピカと言うものだ。」
「クラピカさんですね。よろしく。私のことはラフェルって呼んで。」
営業スマイルも程々にクラピカに握手を求めた。
照れながらも、それに答えるクラピカ。
「あぁ、よろしく。ラフェ…ルッ!!!」
握手をしようとしたその時。
レオリオがクラピカを押しのけてラフェルの手を取って握手をした。
その為にルの音がすっとんでしまった。
「何をする、レオリオ!!」
「別に?ただの握手だぜ?」
この時クラピカがレオリオに(微量であるが)殺意を感じたのは言うまでもない。
約束の時間から二時間経過。
セナは未だに現れていない。
NEXT→