Valentine Panick
Act.2
「おい!!どうしたんだよ!!」
ケイは前回と相変わらず、必殺揺さぶりの要領でイルミとクロロを揺すっている。(変態はやっぱり放置)
そんなケイをよそに、シャナは優雅にお茶を飲んでいた。
「シャナ!!どうしたんだよ、こいつ等!!」
「クスリを盛ったの、少しの間仮死状態になるように。揺さぶると死ぬわよ?」
シャナの死ぬわよ発言で、ケイは2人の服からパッと手を離した。
「クスリ盛ったんか…。って、クスリを混入る必要性がドコにある!!」
ケイはシャナをきっとツッコミの眼差しで睨んだ。
「ふっ。まだまだ、甘いわね。ケー。」
「なっ、なんだと!!」
「コレを御覧なさいッ!!」
シャナがそういうと魔法のように突然セナが現れた。
「なッッ!!!!セナッッッ!!!!!」
「よーく、御覧なさい!!!!!」
「っそそそそそっその服はぁぁあああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うふふ…。」
シャナの気配がどんどん黒くなっていく。
ケイはケイで乱れた息を正常に戻そうと必死だった。
「…はぁ…はぁ…。その…服…は……。」
「…そうよ。」
「どうだ?似合うか?」
「ぐはぁああッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
「ふっ…やったわ…。」
「うわぁ。鼻血で汚れるよっ!!」
おおーっと、ココでケイ選手鼻血を噴いたぁー!!
それとは対照的にシャナ選手は満足げな顔をしています!!
――ここで臨時ニュースをお伝えします。
ケイ・オズベルクさん(21)が昨夜未明、大量出血で死亡しました。
原因は鼻血だそうです。以上!!
……臨時ニュースが終ったところで、ここでキチンとセナの服装について説明しよう。
ケイが鼻血を散らせた原因を……。
セナはなんとっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「せっせながっせながぁ、(オレが上げた)FURIFURIドレスを着ているぅぅうううーーー!!!!!!!!!」
「…0.2秒。前回に比べてタイムが落ちてるわっ!!」
「タイムって何、シャナ!?それに前回って何時!?」
セナの久しぶりに的を得た冴えたツッコミをし終えると、叫んでまた倒れた妹馬鹿の方に駆け寄っていった。
「大丈夫か?ケー。」
「…せっ、セナ…。…オレは大丈夫だよ……。」
「本当かぁ?」
「グハァアッッ!!!!」
セナがFURIFURIドレス(FURIFURIエプロンのオプション付き)とうるるんおめめ(ケイにはそう見えるらしい)で見つめるので、
ケイはまた鼻血を出してしまった……。
自粛の利かない男め……。
ケイが本日2度目の出血から意識を取り戻すと、目の前にはFURIFURIドレスを着たセナが何か入った皿を持ってケイの方を覗き込んでいた。
「…大丈夫か?」
「…なっ…なんとか……。」
「…そうか。じゃぁ、早速だがコレを食べろ。」
「…へ?」
「今日が何の日かわかんないのか?」
「今日は…2月14日だけど…?」
「鈍いわねぇ〜。今日はV.Dでしょ?はい、コレは私からのチョコレート。」
「コレは俺からのクッキー…。」
「…あぁ…ありがとう……。」
突然の嬉しい出来事に思わずケイの顔がトマトのように赤くなった。
いや…鼻血とかでもっと赤くなっているが…………。
そういえば、V.Dはセナから貰えなくなった時から綺麗すっぱり忘れていたのだ。
それでもシャナはそれとなくプレゼントをくれたが……。
そんなことを思い返しながら、セナが作ったクッキーを食べることにした。
見た目も匂いも悪くない……。
――サクッ
「…ん…美味い…。」
「えへへ〜。そうでしょうぉ?」
「喜んでもらってよかったわね。セナ。」
「うん。」
セナとシャナはホクホクした笑顔で互いに笑い合っていた。
きっと今日の日のことはケイの一生の思い出になるに違いない。(大袈裟)
そしてちょっと照れ気味のケイから床に視線を移すと、ヒソクロイルの血みどろかけ(餡かけの要領)が出来上がっていた。
次でラスト?
続くのかしら…?
ところでケイ、あのクッキーがドコで作られたか忘れてない?
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