Valentine Panick

Act.3










――ガバッッ!!!!




次の日、ケイは自室のベットで朝を迎えた。



「あれっ?!FURIFURIドレスを着たセナはぁ!!」



しかも、何かおかしなコトを言っている……。
頭でもイかれたのだろうか。



「…なんだぁ…。夢だったのか……。」



少し残念そうに笑いながら、水を飲むために階段を下りていった。


キッチンに入ると何故か工事現場でよく見かける電動ドリルとかセメントを混ぜるミキサーetc(どれもミニサイズ)が転がっていた…。



「なんなんだ……。この機械どもは…。」



無意識に変な汗が吹き出た。

何かあったのかと自分の記憶を探ってみるものの、思い当たる節は何もない。
本当になんなんだろうか――。

疑問が空きっ腹に響いた。





パンとコーヒーの入ったカップを持ってリビングに向かうと、当たり前のようにシャナとセナがいた。



「おはよー。今日は仕事ないんだな。」
「おはよう。そうなの、だから今日は買い物にでも行こうと思って。」
「…おそよう。」
「あんだよ、嫌味だなぁ。まだ、7:30だぞ?」
「そんなこと、どうでもいいよ。腹減ったぁー!!」
「はいはい。もう少ししたら、何か作りますよっ。」



そういってケイがテーブルに眼を向けると皿に乗ったクッキーがあった。



「なんだよ。クッキーあるじゃねぇか。コレ食べろよ。」



見た目も良いし、匂いからして美味しそうだ…。
食欲をそそるには十分だ。



「そういえばさぁ…、オレ変な夢みたんだよネ…。」
「へぇ?どんな?」



雑誌からケイに眼を移して、シャナが答えた。



「セナがなぁ、FURIFURIの服を着ててオレにバレンタインのプレゼントをくれた夢…。」
「そう。それは妙にリアルねぇ。」
「だろぉ?」



シャナが可笑しいとばかりにクスクス笑ってセナの方を見ると、セナは無表情を決め込んでいた。










ゴミ箱の蓋から、FURIFURIドレスが食み出ているのをケイはこの先知らずに生きていくだろう。






(((ケイ、ソレは夢じゃないよっ!!現実だってッッ!!!!)))





もちろん部屋の端っこで積み重なっている、ニンゲンのココロの叫びも聞えるはずがない。







皆さん、良いバレンタインを…BYセナ








END


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***イイノコスコト***
まず最初に…ゾル家ってクスリ(毒)効かないんじゃないっけ……。
それに今回はこのシリーズ最初の鼻血記念日だよ…。
コレってあの漫画の影響かなぁ…。

この短編は(ある意味)一番ヤバイです。
バレンタインって今日は22日だよ………。

遅い更新に乾杯―――。