Valentine Panick
Act.1
その日ケイは今日が何の日かわからずに仕事に出掛けていった。
「ケー行ったわよ。セナ。」
「…………。」
「頑張ってね?」
「…うん……。」
夜になってケイはようやく家に帰ってきた。
そしてケイの両手には……――。
「今日は一体何の日なんだぁ?誕生日でもないのにプレゼント貰ったぞ?」
手作りのプレゼント(主にチョコレート)が沢山入った紙袋を持っていた。
仕事の間中、会う人会う人に貰ったので袋パンパンに入っていた。
なんだか重そうだ………。
因みにケイはこのプレゼントの意味を全く理解していない。
罪な男と言うか、イベントに無頓着と言うか……。
この前のクリスマスパーティーだって、イベント好きのセナの企みだ。
ゲーム(黒髭ピンチ樽)にも負けてしまったので、毎日セナにケーキを作っていたし、
天津さえ中身にもとり憑かれるしまつだ。(もちろん始末はつけたが…)
本当に意味がわからないとばかりに、思わずその場に座ってしまった。
でも、コタエは出ないのでやめることにした。
なので、これら(主にセナの好きなチョコ)をキッチンに置いておけば、セナが勝手に片してくれるだろうと思いキチンに向かうことにした。
なんとも切り替えが早い………。
ケイがキッチンに入ろうとすると、キッチンのドアが閉まっていた。
何時もは開けっ放しにしているのだ、こんな不思議なことは無い。
よく見てみれば、変な張り紙まで貼ってあった。
<本日 男子進入禁止>
「なんだ、コリャ……。」
こんな張り紙があれば、怪しさ倍増。
ケイは当然不審に思って“凝”をしてみれば、ドアは念でガードされていた。
益々怪しい。
そして今度は耳を澄まして中の様子を探ってみれば、中からは道路工事の音が聞える…。
「誰がナニやってるんだよ……。」
その荒々しい音にケイの顔色が少し青くなった。
「まぁいいや。リビング行こ……。」
ケイは残業で疲れたサラリーマンのようにリビングに続く廊下を歩いていった。
リビングに着くと、シャナの他にイルミ、クロロ、ヒソカがお茶を飲んでいた。
「おかえりなさい。ケー。」
「あぁ、ただいまって、何でコイツらがいるんだ?」
「この人たちなら、いつでも家に来るじゃない。」
「まぁ、そうだけど……?」
「なら、気にしない気にしない。」
ケイもイスに座ると、シャナがお茶を淹れてくれた。
「はい。」
「おぉ、サンキュー。」
「………。」
「……何で、黙ってるんだコイツら。」
「…さぁ…?」
さぁと答えたシャナの口端は少し上に吊り上っていた。
つまりは……にやけ顔だっ!!
そんなシャナには気付かず、ケイは3人を観察してみると3人とも顔色が悪いし、何だか震えていた。
クロロは微妙に意識がムコウに逝っている気がする…。
「おい、おい。イルミもクロロもどうしたんだよ!!」
あからさまに取り乱すケイ。
2人を揺すっても返答がない。(変態は放置)
動揺を隠しきれないケイに、廊下の向こう側からは刻一刻と魔の手が迫っていた。
そしてワイズは寝ていた………。(何の関係が…)
「ふう〜。やっと出来上がった………。」
工事現場の音とキッチンの関係は?!
そしてケイに迫る魔の手とは?!
どうなる!!次回!!
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