Act.01
行き成りですが、質問です。
今日は何の日でしょう。
正解は……。
キルアくんの誕生日です。
ここはゾルディック家の試しの門の前。
人影が五つある。
「よぉ、おっさん、久しぶり。」
「あぁ、ケイさんじゃないですか。」
「ケイさん。ゼブロさんと知り合いなの?」
「ケイでいいよ、ゴン。」
「うん。わかった。」
「よし。なか入っか!!」
ケイが先陣を切って、試しの門を開ける。
すると、扉は軽く六まで開いた。
セナ以外、この光景には絶句した。
「さぁ、入れよ。」
ニカっと笑って、中に入るよう促す。
ケイの片手は、片方の扉を押さえたままだ。
道なりに山を歩いていると、目の前に人影が見えた。
「よぉ、カナリア久しぶり。」
「お久しぶりです。ケイ様。」
半ば顔パス状態でカナリアの前を素通り。
ゴンはそれが信じられず、カナリアに聞いた。
「オレ達を排除しなくていいの?」
「はい。ケイ様には敵いませんから。」
わかりやすい答えだ。
「なぁ、ケイ。」
「ん?」
「お前、執務室の場所わかんのか?」
「まぁな、ゾル家には数え切れないほど来てるし。」
レオリオとの会話が終わると、ケイは携帯を取り出し、誰かに電話をかけた。
『もしもし…?』
「もしもし、イルミか?オレだけど。」
『あぁ、ケイ。どうしたの?』
「今、お前んちの庭にいるんだけど、あと、三十分ぐらいしたら、屋敷に付くから、ゴトーのおっさんに通してもらえるように、言っといてよ。」
『いいよ。そんなことなら。でも、今日はどうしたの?』
「お前、弟の誕生日も覚えてないのか。」
『うん。すっかり忘れてた。でも、何故かプレゼントはあるんだよね。』
「不思議だな。」
『うん。』
「じゃぁな。」
プチッと、携帯を切った。
「誰と、電話してたの?」
「イルミだよ。屋敷に入れてもらえるように頼んだのさ。」
「すげーな、それ!」
「だろ?」
「私も屋敷内までは見たことはないのだよ。」
「だろ?」
喋りながら、執務室の前に着いた。
歩いているうちに三十分以上経ったらしい。
執務室の玄関には、ゴトーをはじめ、数人の執事が並んでいた。
ケイは気軽に友達のように話し掛けた。
「久しぶり、おっさん。」
「お久しぶりです。ケイ様、今回はどのようなご用件でいらしたんですか。」
「あれ?イルミに聞かなかった?」
「はい、ケイ様を通せとだけ。」
「そうか。じゃぁ、教えてやるよ。」
ケイはゴトーの近くまで、歩み寄り、耳打ちしている。
「ってこと。」
「そうですか。では、お気をつけて。」
「どうも。」
ケイ達は屋敷へ続く長い廊下を歩いていった。
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