Act.43

















――何所の店にも人の姿はなく、建物がただ不気味に建っているだけだった。




「くそっ…!見つかりゃしねぇ。」




苛々していると、シャナの呼ぶ声が聞えた。


「どうしたんだ?」
「このお店の中なんだけど……地下への入り口みたいなのがあるわ。」


シャナが指差した方を見てみると、その店には「新作ケーキ試食無料」の看板が置きざりになっていた。


店内に入って中を見渡せば、可愛らしい内装。
だが、今まで見てきた店どうよう今まで人がいた気配はまるでない。




「ケー、こっちよ。」
「…あ、あぁ……。」


ケイがシャナの後を追おうとした瞬間、ゾッするような気配に見舞われる。

周りを見渡せば、雇われハンターだろうか…念を使える者たちに囲まれていた。



――シャナは先に行ってしまったようで、もう何所にも見えない。



「どうやら、ココが正解だったみたいだな。」



ニヤリと笑みを浮かべて腕を思いきり前に突き出すと、袖の中から愛用のサバイバルナイフを取り出した。



「いっちょ暴れてやろうじゃねぇか。」




――ケイ戦闘開始………。















「…ケー?」



シャナが後ろを振り向くと、ケイの姿なかった。



(兎に角……先に進むしかないわ。)



シャナは先を急いだ。
















+ + +







――コンコンッ


軽いノック音がすると、黒いスーツを来た男が部屋に入ってきた。
間違いなく彼の部下だろう。

スーツの男は上司に用件を伝えると軽く頭を下げ、退室していった。


…その頭の下げかたは、店の店員と酷似していた。



「どうやら2人は侵入に成功したようだ――。」

報告を聞いた男は嬉しそうに話した。

「!?」









+ + +









「弱いな、お前ら。」


ケイがナイフを持って、敵を切っていく。
その様はまるで演舞のよう――。


――ザッ


すれ違い様に、男たちの腕やら指やら首やらを切り落としていく。

「くッ!!」


バラバラッ、肉片が落ちていく。

戦いを始めてからあまり時間は経ってはいないのに、何人死んでいっただろう。



「教えてもらおうじゃねぇか、お前らのボスの居場所をよぉっ!!」



ケイがその台詞を言った刹那、それが合図のように残りの男たちが一斉に向かってきた。

向かってくる連中を軽くあしらい、適当に一人の首根っこを捕まえてその首にナイフをそえた。



「オレは大事な奴を盗られて、結構頭にきてるんだ。とっとと吐いてもらうか。」



ドスの聞いた声と共に、ナイフの鋭く研ぎ澄まされた刃が首の筋を切るような感覚に襲われる。


「選べよ。ここで真っ赤な血ぃ天井に散して死ぬのと。骨の二、三本折れただけでママの所に帰れるのと。
お前もこうなりたく無いだろ…?」

目で床に転がっている冷たくなったモノを顎で指す。

「…………っ…。」



だらだらと生ぬるい汗を感じる。
背後には底知れぬ憎悪。
首筋に感じるナイフの刃の冷たい感触。
ナイフより鋭く自身に注がれる視線。



身体中の力を振り絞って、やっと一つの言葉を紡ぎ出す。


「ボスは…此処か…ら…さらに地下の――――。」

「ありがとな。」



ケイはそう一言いうと、首から手を離しその手で男に手刀を加えた。



「おやすみ。」





ケイがそこから去った後に残ったのは無数の血だまりと血飛沫、無数の肉片と冷たくなった人間だけ………。








「セナ、待ってろよ。今ソッチにいくからな。」










――どうか、どうかと…ただただ願った。





















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あとがき

なんか、何時になくグロイですね>ケーの戦闘シーン
というかアレは戦闘シーンというのですかね。
一方的な殺戮みたいに思えるんですが(まて、作者)

ママの所がどーたらといっていましたが、ブチギレてて結局全員殺してしまいました。
最後の人質の人はナイフで切るが面倒くさかったので、拳で殺したと思われ……。
あーでも手刀だから人質さんの生命力が強かったら死んでないかもしれない。
そこがケーくんのお礼かな。

もーケーくんったらぁvv(ぇ


ていうかシャナの場面が思い浮かばん。
どー戦わせましょうか。
シャナ、念使用なるか!



ていうかやっと完成したよ、コレ。
12/6/05 Ryuga Naoto