Act.31
無事キルアと再会した、ゴン、クラピカ、レオリオは町を歩いていた。
クラピカがコインの種明かしをしていると、キルアが行き成り叫んだ。
「あ!!アイツ!」
「どうしたの?キルア」
「あれ、セナじゃねーか?」
「私にもそう見える」
4人はセナを発見した。
髪は結んでおらず、茶色い買い物袋を抱えている。
お腹が減ったのだろうか、買ったばかりのりんごを齧っている。
「おーーい!セーナーー!!」
「ほへ?」
遠くから自分を呼ぶ声が聞えて、その方向に振り向く。
すると、その方向にはハンター試験で知り合った4人がいた。
4人はセナに駆け寄ってくる。
「セナ、久しぶりだね!」
「まぁな、それにどうしたんだ、お前等。こんなところに」
「いろいろあってさぁ」
とキルアは返答を濁したが・・・。
いや、ただ説明が面倒なだけに違いない。
「ふ〜ん。それよりお前等、うちに来ないか?」
「えっ、いいの?」
「構わないぜ。それに家に来るって約束しただろ?」
「そうだねぇ!」
「お邪魔させてもらおう」
「セナ、重そうだな。持ってやるよ。」
「そうと決まれば、早くいこーぜ!」
少し町の外れの方に歩いていくと、一軒の家があった。
大きいとも、小さいとも言えない、程よいサイズの家。
家の周りにある庭には、色とりどりの花が植えられている。
「さ、ついたぜ。」
玄関のドアを開けて、セナが一番最初に入る。
その後に、4人は続いて家に入った。
セナは鼻歌を歌いながら、玄関を抜けて、一番最初のドアの扉を開ける。
「シャナ、ケー、ただいまー。」
「お帰りなさい、セナ。後ろの人達は?」
「おぉ、ハンター試験の時のガキ共じゃねーか。」
「途中で会ったから、連れてきた。」
「「「「お邪魔しまーす。」」」」
「おぉ、よくきたな!」
「その辺に、座っててね」
「はーい。」
茶色の髪の女性―シャナに促され、4人は部屋のソファーに座った。
通されて入った部屋はどうやらキッチンダイニングのようだ。
セナは対面式キッチンのカウンターにレオリオから受け取った、食材の入った紙袋を置いた。
ケイは一体何を作るのだろうか。
既にキッチンからはいい匂いが漂っていた。
ゴン達がシャナの入れた紅茶を飲んでいると、部屋の置くにある二階へ続く階段から誰かが降りてきた。
足音からすると、二人いるようだ。
構わずにお茶を飲んでいると、どこかで聞いたような、聞いたら忘れられないような声がした。
少し高めの声の……あの人の。
「ケイ。今日は何を作るんだい?」
「ヒソカ、お前がっつき過ぎ、ケーの身にもなってみなよ。」
「ヒッ、ヒソカぁ?!」
「あ、兄貴?!」
階段から降りてきたのは、なんとヒソカとイルミの2人だった。
ゴンとキルアは驚きを隠せないでいる。
ティーカップを持って、ソファーから立ち上がったままだ。
「…なんで…ヒソカがいるの…?」
「やぁ、ゴン。ハンター試験以来だね。元気だったかーい?」
「あ、兄貴。どうして、ここに…」
「ケイのご飯を食べに来たんだよ。キルもかい?」
四人は文字通り行き成りのヒソカとイルミの登場に頭が処理しきれていないようだ。
「セナ。どうして二人がいるだ!!」
「う〜ん、俺に言われても…。シャナ説明して?」
「はいはい。二人は昨日から遊びに来てて、そのまま泊まっているのよ」
シャナはセナに呆れ笑いを向けながらも説明してくた。
「だってさ。クラピカわかった?」
「あ、あぁ、大体のことは…」
「それで、納得するのかよ!!」
それぞれの会話が弾んでいると、キッチンから声がした。
「シャナ!もうすぐ出来るから、セッティングしてくれ」
「わかったわ」
その30分後、ケイがテーブルに料理を運んできた。
両手に料理がのった大皿を持っている。
出来立ての料理の良い匂いが部屋中に広がった。
「ふぅー。こんなに多く作ったのは久しぶりだな。」
一仕事終えたケイが誇らしげに額の汗を拭った。
ケイとシャナが、テーブルに皿を置いていると、玄関のチャイムが鳴った。
来客があったことを知らせるチャイムだ。
「今日はたくさん客がくるな。セナ、出てくれ。」
「はーい」
ケイに頼まれて、セナは部屋を出て玄関へ向かった。
「何方ですかー。」
「オレだよ、セナ。」
玄関の向こうの顔を見て、空けたドアをもう一度閉めた。
そして全速力で部屋に戻ってきた。
「誰だったんだ」
「…ベビーフェイス…だった」
「はっ?クロちゃんが来たのか?」
「うん」
「はぁー、閉めんなよ、セナ。可哀想だろう、入れてやれ」
「はぁーい」
ケイに言われて渋々玄関へ向かった。
「…クロロ、入っていいよ。」
「ひどいなぁー、セナは。行き成り閉めるだなんて」
ケイ達の家にやって来たのは、幻影旅団団長――クロロ・ルシルフルだった。
でも、ここでは只の童顔お兄さんだ。
「おー、クロちゃん、久しぶり。」
「久しぶり、ケー。いい匂いだな。」
「今日はご馳走だぜ?クロちゃんも食ってくか?」
「そうだな。ご馳走になろうか。」
「ピエロの隣にでも座っててくれ」
「わかった。」
こうしてクロロが加わり、食卓が一層賑やかになった。
「それにしてもアンタ、色んな奴と知り合いなんだな。」
「あぁ、えっと君、レオリオだっけ。」
「そうだぜ、宜しくな。」
ケイがレオリオと話していると、邪魔するかのようにヒソカがケイに話し掛けてきた。
「ねぇ、ケイ。」
「んだよ、変態。オレはレオリオと話してんだ。」
「それより、コレ飲まない?」
コレっといって、右手にはワインのボトルが握られていた。
「ロゼか…、お前も飲むか?」
とレオリオの方を見る。
「じゃぁ、頂きますっ」
「そうか。ヒソカ、注げ。」
「はいはい。人使い荒いなぁー」
「ただで飯食ってるくせによく言うなぁ?」
「ふぅ、わかったよ」
大人しく、ケイのグラスにワインを注ぐ。
レオリオのグラスには、ケイがヒソカからボトルを奪ってついでやった。
酒盛りを始めると、セナがこっちに来た。
「あー、ワイン飲んでる。俺にもくれよ。」
「ダメだ、セナ。」
「いいじゃなか、ケイ。セナにもあげたってぇ」
ヒソカがセナに自分が飲んでいた、グラスを渡す。
「やったぁ!」
「あっ、コラ!!飲むんじゃねー!!」
「いいじゃないか。減るもんじゃないしさ。」
ヒソカのお金だしと、イルミがケイの後ろから顔をだす。
イルミもワインを飲みに来たらしい、イルミの後ろにはクロロとシャナがいた。
ゴンとキルアは当然、お子ちゃまなのでシャナからジュースが出ていた。
その顔は、少し不服そうだ。(得にキルアが)
ワインを飲んだ後、セナの顔をが一気に紅くなった。
より、酔いやすい体質らしい。
それと比例して、ケイとシャナの顔がさぁっと青くなった。
「オレ、知らねーぞ…どうなっても…・・・・・」
「私、二階に行きます。」
「待て、シャナ!オレも行く。」
そういって、二人して、二階に行ってしまった。
残された人たちの頭の上には疑問符が残った。
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3人のうちは家は外見も中身は豪華です(ケイくんとシャナの趣味)
でもここの家はいくつか持ってるうちの家の一つです。
ケイくんが「イルミの近くに家が欲しい!」という軽い気持ちで作っちゃいました←
加筆修正*09.2.10