Act.23
セナさん、アナタ次闘うんですよ…?
未だに欠伸をしているセナにケイも半ば呆れ顔のご様子。
立会人に呼ばれるセナを見ながら、そういう視線を送った。
それと同時にマイトには哀れみの目で見送ってやった。
ケイに負けて、次にセナに負ける。
彼の今回の試験落ちは確定した。
さぁ、マイトさんに合掌。
(ごめんなさい、もし怪我しちゃっても作者側からは保険金は出ません。)
そんなこんなで第六試合は始まった。
ケイの時同様、周りの受験者はセナの敗北に終わるだろうと思っている。
そしてマイトもセナと自分を見比べ、既に己が勝利を確信している。
セナはというと、ご覧の通り…
(レモンクリームサンドがいいか、それとも定番のスティックがいいか。それが問題だ。)
試合終了後に食べるお菓子のことで頭がいっぱいだ。
そんなセナの余裕顔に腹を立てたのか、マイトは第二試合と同じようにセナに突っ込んでいった。
まったく、学習能力の無い奴はこれだから困る。
自分に向かってくるマイトに蔑むような視線を送りながらも、セナの脳内の半分以上ではお菓子のことで埋まっていた。
(う〜ん、二つとも捨てがたいな。ここは趣向を変えてジャポンの“ワガシ”にでもしてみるかな。
この前食べた“モナカ”は美味かったし。よし!それに決定!!)
頭の中で思考が固まったのか、セナが今までかわしていたマイトの猪突猛進攻撃(セナ命名)を受け止めた。
「よし。そうと決まれば。コイツを倒すのみ!!」
「はぁっ、なんだぁ?」
そうマイトが言葉を返した瞬間、マイトの腹部付近に鈍い痛みが走った。
鳩尾に一発入れられたのだ。
攻撃を受けたマイトは少し咽ている、何回か咳を繰り返すと口から血が出た。
咳が収まって立とうとすると、腹部(内臓)への攻撃と一緒に骨も何本かイったらしく、今度は立ち上がることが出来ない。
セナの一撃は正確に決り、相手へのダメージは予想以上だった。
腹を押さえながら、蹲っているマイトを足で押さえつけながら言う。
「お前はもう、立つことは出来ない。負けを認めろ。」
「嫌だね。オレはまだ戦えるさ。」
「強情だな。俺はデザートが待ってるんだ、早く負けを認めろ。」
そう返しながら背中に踵落しを決める。
セナは背骨を圧し折るつもりなので、手加減はしない。
マイトの口からまた血が出る。
数分同じことが続くと、セナの足の下のマイトが何事か呻きだした。
「負けを認めるのか。」
「あぁ…、オレの…負けだ……。」
敗北を宣言するとマイトは意識を失ってしまった。
立会人のコールが血で染められたリングに響く。
立会人の後方には、ケイの元に上機嫌で返ってくるセナがいた。
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