Act.21
第一試合が終わり、間もなく第二試合が行われた。
第二試合の対戦者はケイ対マイト。
マイトという人物は中年のおっさんで、わりとガタイがよかった。
ケイの実力を知らない者から見れば、ケイは明らかに不利とみるだろう。
それも無理はナイ話しだ、ケイの見た目は細身の成年そのものなのだから。
それにゴンのように武器を持ってはいない。
荷物は腰にある、ヒップバックぐらいだ。
そんな中に入るモノは高が知れている。
相手も楽勝だと、自分の勝利を確信していた。
そして試合開始の合図が下った。
「うりゃぁぁあああ!!!!」
マイトはイノシシの如く、ケイに突っ込んできた。
ケイはそれを横に避けてかわす。
マイトは間髪いれずに突っ込んでくる。
それが数分続いた。
マイトもじれったくなってきたのか、口を開いた。
「どうした、にーちゃん。オレが怖いのかぁ〜〜!?」
「………。」
「黙ってないで、何とかいったらどうだ。」
「………。」
「ビビッて声も出ないのかなぁ〜?お坊ちゃんは〜?」
(オレってどうして、相手がいつもヤな奴ばっかんだろ。)
マイトの罵声も軽くシカトして、そんなことを考える。
その間も、飛んで来た拳や足をかわす。
マイトはそれを自分を怖がって防戦をしていると勘違いし、刃物を持ち出した。
刃物を持って更に調子づいたのか、ケイに刃物を投げつけた。
ケイは避けたつもりだったが、不覚にも頬を切ってしまった。
スーっと血が流れる。
それを見るとケイの中で何かが切れた。
行き成りケイの動きが止まり、押しだっまってしまった。
「どうしたのかなぁ〜。お坊ちゃん。」
マイトがそういうとケイはセナの方に向かった。
「セナ、ゴムかせ。」
その言葉にヒソカはヨロコビの顔をみせた。
ケイがその長い黒髪を結わくのは、本気になった証拠だからだ。
自分の玉の肌を傷てけられて、相当頭にきたのだろう。
スイッチが入ってしまった。
そんな中セナはケイに言われた通りに自分の髪を結わいているゴムをとった。
パサっと、セナの髪の毛が下りた。
ケイはセナからゴムを貰うと自分の黒髪を束ねだした。
その隙を狙えばいいものをマイトは余裕の顔を見せる。
それを見て、セナは
(あぁ、アイツ、終わったな。)
っとおもった。
ケイが髪を結い終わると、マイトに向き合った。
そして、この試合で初めて口を開いた。
「さっきはよくもオレ様の玉の肌を傷つけてくれたな。たっぷりお礼してやるから、そのつもりでいろよ。」
「はっ!なんとでも言いやがれ!」
なんとも強気な発言だ。
ケイは袖を勢い良く突き出すと、愛用のサバイバルナイフをだした。
これは一次試験の時に使ったものだ。
それを逆手にもつと、マイトに向かって走っていく。
マイトはかわそうとするが、あっさりケイに後ろを取られてしまった。
「お前、力を隠していたな。」
「別に隠してたわけじゃねーよ。使う必要がなかっただけのことさ。」
マイトの首筋にサバイバルナイフを当てながら言う。
もう少し力を入れれば、簡単に頚動脈はきれるだろう。
「おっさん、死ぬか、負けるかどっちがいい?オレとしては、死んでくれて構わないんだけど。」
ハンター試験に落ちるという、自分に不利なことをいうケイにセナ、ヒソカ、イルミ、ネテロの以外の全員は驚きを隠せない。
「お前、試験に落ちてもいいのか?!」
「試験なんてまた受ければいいさ。でもアンタは今しか殺せない。だったらアンタを殺すしかねーだろーが。」
口に冷笑を浮かべて、ケイは当然のように言い放つ。
周りの空気が張り詰めていく。
悪名高い暗殺一家のキルアでも、こんな男は見たことがなかった。
「さぁ、選べ。死ぬか、負けるか。」
自分の頬と同じように、首に薄く傷をつける。
ケイには殺気は見られなかったが、マイトに言い放つ言葉全てが永久凍土の大地のように冷たさ持っていた。
マイトはいやな汗をダラダラと掻きながら、どもりながらも生きるために声発した。
「まっ、まいった。」
「最初から、そういえばいいんだよ。」
ケイはマイトがそういとあっさりナイフをしまい、自分がいた位置もどった。
それに気付いた、立会人がジャッジのコールをしたのは数秒のことだった。
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