Act.15
――第四次試験 三日目
クモを目の前に失神したセナは、一日中意識が戻らないままだった。
そしてあっと言う間に、三日目になってしまった。
「あれ、俺如何したんだっけ……。確か、寝ようとして枝に足を掛けたら………。」
セナの顔色がクモを発見した時同様、青くなっていく。
青というよりは、むしろ蒼白だ。
「今日は一体、何日目なんだぁー!!」
セナの苦悩の雄叫びが辺りの森を震えさせた。
独り、頭を悩ませていると、微量ながらも殺気を向けられていること気付いた。
相手の距離は、大体三km。
じっと、こちらを窺っている。
絶を使用していないところを見ると、念は使えないらし。
いや、コドモだと思って、甘く見ているのか……。
どちらにしろ、セナの力量を知らない相手は死んだも同然だ。
セナは思考がまとまったのか、それを行動に移すことにした。
そして瞬きする間も無く、セナの気配が一瞬にして消えた。
相手は当然驚いている、頭では冷静になろうとしても襲われる恐怖心から挙動不審になっている。
相手は相当焦っているようだ。
セナは気配を消したまま、三km離れた相手の背後に降りた。
相手はまだ、セナに気付いてはいない。
なんて鈍いヤツだっと思っている表情は悪戯をするコドモそのもの。
セナは大きく息を吸い、相手に向かって吐いた。
「わっ!!!」
「うわぁっっ!!!!!!!」
相手は驚きの余り、自分がいた枝から真っ逆さまに落ちていった。
セナはそれをお腹を抱えながら見た。
相手の落ちる様が、余程笑えたのだろう。
地面に降りてみると、相手は気絶していた。
それは当たり前だろう、約二十mの高さのある枝から落ちたのだ、死んでいなかっただけでも幸運に値する。
セナは相手の持ち物をあさって、プレートを探し始めた。
すると、アッサリ見つかるもので、洋服のポケットに入っていた。
「コイツ、何番だ…。あ、三十六番。ターゲットじゃん。」
倒した相手はセナのターゲットだった。
「コレで、六点分。さぁ、寝るかぁ〜!」
残りの三日は無駄には過ごせないというので、セナはのこりの全てを睡眠をとることに専念した。
もちろん、迎えに来てもらう為に、ケイへの連絡は怠らなかった。
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