Act.12









ゼビル島へ向かう船の中、ハンター協会のマークを施した服を着た女が、辛気臭い中喋っていた。



「ご船上の皆様、第三次試験お疲れ様でした!!」



女はこのまま喋っていたが、どよんとした雰囲気に飲まれ、足早にその場を去っていった。
女の言い残した言葉によると、島までにつく二時間の間、自由時間となっているらしい。
話が終わり、これまでに試験に生き残った受験者達は解散した。

セナとケイは話が終わった後合流した。
合流したというよりは、話が終わってふらついていると偶然にも鉢合わせしただけである。
まぁ、なんというか……。



「ケー、腹減った何かよこせ。」
「はぁ〜、会って行き成りそれかよ。セナ。」
「やぁ、君達。」
「「あっ、変態だ。」」
「……君達、いい度胸してるねぇ…」
「「へっ。」」
「はぁぁ〜。」



ヒソカは二人の言葉に深あぁぁぁく溜息をつくと、セナがヒソカにいった。



「ヒソカ…」
「なんだい、セナちゃん。」
「ちゃんはやめろ!あのな、溜息付くと幸せが逃げる前に……頭がハゲるんだぞ。」
「…くっ、はははははは!!セナ、それサイコー!」
「君達…!!」



ヒソカはそう言うと、両手にめいっぱいトランプを持って構えた。
その表情は俯いたままで、わからない。
泣いているのだろうか…有り得なくは無いが。
ヒソカの周りでは、ケイとセナがハゲる、ハゲるといいながら踊っていた。

数分その状態が続くと、ヒソカが、がばっと顔をあげ持っていたトランプを一斉に投げ出した。
その表情は………壊れてます。
目も当てられない顔してます。
だが、ケイとセナはそんなモノを見ても動じず、逆にそれを見て笑っていた。



「ぎゃはははは!!ヒソカなんだ、その顔!!」
「あはははは、ダメ、オレ笑い死ぬ!!」







こんな調子で、楽しい船の旅(二時間)は過ぎていった。
船上はケイとセナによって戦場と化していた。




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