Act.04
レオリオを背負ったヒソカはケイと共に二次試験会場へと走っていた。
「さっきの電話、イルミだろ?」
「うん。そうだよ。」
短い会話を終わらせると、ケイの頭の中はイルミでいっぱいになった。
「ホント、相変わらずだ。」
「ん、なんか言ったかヒソカ。」
「いや、なんでもないよ。」
「そうか。イルミに早くあいてーな。」
イルミマニアだろうか…? いや、イルミマニアだ。
改めて思ったヒソカだが、ケイのイルミに対する思い入れは凄まじいものだ。
イルミを紹介した時、ケイはイルミを人目で気に入った。
自分に対しての【あの】毒舌ぶりは発揮されず、とても好意的に接している。
『気に入ったモノはとことん愛す。』ケイの性格が現れた瞬間だった。
今では、黒髪美青年同盟なんてものをイルミと二人で名乗っている。(ケイが勝手にいってるだけ。)
そんな事を思い返していると会場らしき建物が見えてきた。
なんだが、唸るような、叫ぶような、なんとも形容しがたい音が聞えてきた。
汗を全く掻かず、二人は平然として会場に現れた。
既に来ていた受験生達の視線が二人に注がれる。
ケイより早く来ていたセナは、キルアとこの何とも形容しがたい音について話していた。
「なぁ、セナ。あの音なんだと思う?」
「さー、もしかして腹の音だったりして。」
「そんなまさか。」
「だよなー。」
十二時を過ぎてそれは真実となった。
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