Act.01
割と発展した街の外れ。
そこに一軒のアパートらしき、建物がある。
そこのアパートのドアから、三つの人影が出てきた。
女が二人、男が一人。
「いってらっしゃーい、頑張ってね。」
「あぁ、合格してくるからよ。」
二人の女のうち、背の高い方が出かける二人に向かって手を振る。
それに答えて長身の男が手を振り替えした。
二人は目的地を目指して、家をでた。
二人の目的地は、ザバン市である。
ザバン市は今年のハンター試験が行われる市で、二人はハンター証を取得するために出かけた。
この割と発展した街はザバン市に程よく近く、歩いて一時間ぐらいの場所だった。
二人はそれを走って二十分で着いた。
ザバン市に着き『ごはん』と書かれた、定食屋に入った。
「いらっしぇーい!!」
「ご注文は?」
男がステーキ定食と答えると、店主の耳が反応したように見えた。
「焼き方は?」
男が弱火でじっくりと答えると、店の娘に奥の部屋に通された。
部屋はどうやらエレベーターになっているようで、段々下に下がっていった。
用意されたステーキ定食にガッツキながら、男の向かいに座っている女がずっと黙っていた口を開いた。
「なー、ケー。今年のハンター試験ってどんな奴がいるんだ?」
「そーだな、シャナによるとヒソカやイルミがいるらしい。」
「げっ、あの変態また受けんのかぁ?」
「あぁ、ハンター証はヒトを殺っても免責になる場合が多いからな。」
「ふ〜ん。所でケー。」
「なんだ、セナ。」
「俺やりたいよーにやるから、ほっといてね。」
「最初からそのつもりだ。」
男―ケイの返答に、不満を感じつつも黙々とステーキを食べている、女―セナだった。
エレベータが一番したまで着いたようで、それに伴いガクンと部屋が揺れた。
二人は部屋に出ると地下道らしきところに集まっていた他の受験者達に一斉に見られた。
辺りをキョロキョロ見回していると、セナの後ろから声がした。
「受験者の方ですね。番号札をどうぞ。」
セナとケイは番号札を配っている人を見た。
((マメ…))
二人して失礼なことを思った。
二人がひと段落していると、また後ろから声を掛けられた。
相手は男で、さっきの番号札を配っていた人より背は高く、大きな鼻が特徴だ。
「新顔だね、君達。」
「あんた誰。」
ケイが尤もらしい質問をする。
「オレはトンパ十歳から試験を受けてるベテランさ。」
「ふ〜ん。アンタ、ドベなんだね。」
トンパはケイの言葉に一瞬、固まったがすぐに次の行動に移った。
「そうだ、お近づきのしるしに飲みなよ。」
そういって、缶ジュースを差し出した。
だが、ケイはそれを断る。
「いや、遠慮しておくよ。変なモンでも入ってたら困るし。」
「でも…」
意地でも飲ませようとするトンパにケイは制裁を与えることにした。
「うっせーんだよ。デッカパナ。」
背景に黒いものを纏い、眼を細めて見下していった。
それに恐怖を感じたトンパは、最もらしいことをいって二人の前から逃げるように走っていった。
「ケー、相変わらず黒いな。」
未だに、黒い背景を漂わせているケイにセナが言う。
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