転入してから…3日程経ちました。
Act.02 〜部活!?助っ人!?
今日はやっぱり新学期なので半日授業でHRだけだった。
レオリオの話によると、授業は来週から始まるらしい。
そして3時間目終了のチャイムが鳴るのであった。
隣の席を見ると、セナはまだ寝ていた。
起こさなければ……。
「セナくん?授業終わったよ?もう、放課後だよー、起きてー!」
「……うぅ…民が…ヒソミンが襲ってくるぅ〜…。」
どうやら、セナは魘されているようだった。
(…何ですか…ヒソミンって?)
がそう思うのは当然だ。
(兎に角、セナくんを起こさないと!)
は妙にやる気になっていた。
「ほら、セナくん起きてぇー!」
「…んぁ?…けー…もう飯のじかん…?」
「ご飯じゃないよ。ほら、学校終わったよ。帰らなくていいの?」
(ん?“けー”って誰だろう…名前からすると女の子だけど…。)
セナはムクリと起き上がると、まだ眠いようで目をごしごし擦っていた。
「あ…おはようー。」
「う、うん。」
(セナくんってつくづくマイペースだなぁー。)
がそんなことを思っていると、何かが猛スピードで駆けてくる音が近づいてきた。
――ピシャンッ!!
誰かが勢いよく、教室のドアを開けた。
「へっ!?」
「およ?」
行き成りの来訪には驚くばかりである。
「セナ!今日テニス部あるって言ったろう!?朝、ちゃんと言っただろーが!!」
そう、怒鳴り込んで入ってきたのは、長い黒髪の男子生徒だった。
「あ、忘れてた。」
「コラ……。」
「もういい、行くぞ!!」
そういうとこの長髪の男子生徒はセナの首根っこを掴んだ。
男子生徒がセナと仲良しだったので、は思わず話しかけた。
「あ、あのー…。」
「ん?見ない顔だな。アンタ、セナの友達か?」
「ちゃんって言うんだよー。可愛いでしょ。」
「あぁ…この子が“ちゃん”か…。あ、序でに来るか?」
「お出でよー。」
「え、何に……。」
「さぁ、そうと決まったらテニス部へゴーゴー!!」
の返事を聞かずにセナはの手を掴んで、そのまま走りだしていった。
「あ、あのぉぁお〜〜〜!!!!!」
の叫びが廊下中に木霊した。
+ + +
「…せ、セナくんってテニス部員なんですか?」
目の前で行われている出来事を見守りながら、は隣に居る長髪の男子生徒に尋ねた。
「いんや。」
すると、あっさりした答えが帰ってきた。
「あ、そうなんですか……。」
「一応“万事クラブ”つーのやっててな。それでテニス部の助っ人やってるのさ。」
「へぇー、万事クラブですか…。」
「あぁ。頼まれりゃーなんでもするクラブだぜ。」
(…世の中にはそんな部活もあるんだなー。)
「そういや、さっきのゴタゴタで名乗り忘れてたな。オレは二年のケイ。よろしくなっ!」
ニカっとした笑顔で言われて、は一瞬ドキッとした。
はこの男子生徒がさっき自分が女の子の名前だと言っていたと人物等とはすっかり忘れていた。
「あ、はい。こちらこそ宜しくお願いします、ケイ先輩。」
「先輩かー、なんか呼ばれ慣れない敬称って照れるな〜。」
「え、セナくんとかには言われないんですか?」
「まー兄弟だしなー。」
「へぇー兄弟なんだぁ……って兄弟!?」
は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
2人の容姿は兄弟というには余りに掛け離れているのだ。
「おう。もちろん義理だけどな。」
(何か面白いな、この子。)
(きっと複雑な事情があるんだわ!)
手をぎゅっと握って、は一人勝手なことを考えていた。
「お、試合終わったみたいだぜ。」
「あ、そうみたいですね。」
が頭の中で勝手なことを考えている間にセナの試合は終わってしまったらしい。
「ちゃぁーん!!」
セナの方を見ると、こちらに向かってブンブン手を振っていた。
も小さくだがそれに応えた。
「お疲れ、セナ。」
そういうとケイはセナにスポーツドリンクが入ったボトルを手渡した。
「セナくんお疲れ様!」
「ありがと……ぷっはーっ!!やっぱりお仕事の後のドリンクは一層美味しいねーvv」
「じゃぁ、そろそろ帰るか。」
「あ、マンションまで送ってあげるよ。」
「うん、ありがと。」
「ふーん“ちゃん”ねぇ…。」
教室の窓から誰かが呟いた――。
NeXt→
To be continued………
頑張りましたよ…第二話も!!
なんか嵐の予感…?ですね(笑)
HDの学園パラレル世界は如何だったでしょうか?
さん、お付き合いありがとうございました。
2006/04/30 Ryuga Naoto