――コンコンッ
ドアのノックする音が聞える。
「セナー、入るぞー」
ガチャチとノブを回す音がして、黒髪の男が部屋に入ってきた。
その足元にはペットだろうか、一匹の白銀の毛並みの虎を引き連れいた。
「んぁ?ケー、どうしたの?」
部屋の主―セナはベッドから降りて、男―ケイに近寄る。
セナの片手には先程読んでいたのかマンガを持っていた。
「ハンター試験のことなんだけどなぁ?」
「え?受けていいんでしょ?」
「いや、そうじゃなくてだなぁ・・・」
「・・・?何?早く言ってよ」
「急な仕事が入って、送っていけなくなった・・・・」
「・・・・・・・・・えぇえええ!!!!!!!!」
セナの叫びが家中に響き渡った。
Act.01 試験へGO
「えぇ!?じゃぁ、誰が俺を会場まで連れてってくれるのさァ!」
「俺の方向音痴を舐めるなよ!」とケイを下から睨み上げる。
セナの上目遣い(違う)にケイは思わず(やだ、かわいい・・・)と思った。
いや、そんな場合じゃないでしょう、アナタ。
「だからさ、お前のナビをワイズに頼んだから、な?」
「・・・ワイズにぃ〜〜?」
むぅ、と眉間に皺を寄せるセナ。
「なんだ、俺が道案内じゃ不安なのかぁ!」
「む?」
ひょいとケイの後ろからシルバーグレーの髪色の男が現れた。
「別にぃ〜。お昼寝の抱き枕にそんなことできるのかと思ってね!」
「なにをぉ!」
「どうどう。ワイズ、抑えて抑えて」
「ケー!俺は馬じゃないっつの!」
どうやらセナはご機嫌斜めのようです。
きっと会場に行く道すがらいっぱい買い食いする算段だったのでしょう・・・。
「とりあえず、ワイズが一緒に行ってくれるから。わかったな、セナ。」
ポン、とセナの頭を撫で、ワイズを引き連れてケイを部屋を後にした。
(あー、あー、いっぱいおねだりしようとおもってたのになー)
ベッドまで近寄り、ボフン、と柔らかそうな擬音立ててふとんに埋まるセナであった。
* * *
ところ変わってここはケイの部屋
「んで、誰から依頼だったの?」
「ながーいお髭のネテロ会長だよ・・・まったく、あのじーさん・・・」
「あぁ・・・あのじーさんか。前に俺を見て「いい敷物になりそうじゃの」とか言ったから、嫌いだよ、俺・・・」
「まぁ、確かに毛並みいいもんな、オマエ」
そういってケイは本来の虎の姿に戻ったむくれっ面のワイズの頭を慰めるように撫で付けた。
撫でる手が気持ちいいのか、自分から手に顔を擦りつける獣の姿がかわいいと、ケイは思った。
「それにしても受付開始時間には会場入りしてないといけないのか・・・こりゃぁ、早出だな。」
ネテロからの依頼は受験生並びに担当試験官の監督と監視である。
大雑把にいえば「不正行為は見逃しちゃだめ〜よ」ということである。(たぶん)
協会の方でも面倒なハンターを増やさないためのひとつの策なのであろう。
不名誉なことは一つでも少ない方がいいのだ。
パソコン画面で担当試験官のデータを熟読していく。
(サトツ、メンチ、ブハラ、リッポー・・・・ほう、メンチって俺と同じ年なのか)
(受験生は・・・・・ん?ちょ、これイルミじゃん!申し込み場所パドキア・デントラ地区だし!!)
ケイのテンションはイッキに上がった。
(どれどれ・・・他には・・・・・・・・げっ・・・ヒソカじゃん・・・こいつ、また懲りずに受けるのか・・・)
ケイのテンションはイッキに下がった・・・・。
ガックリとパソコンデスクに項垂れているケイをみて、ワイズは首をかしげた。
NEXT→
***
ついに始まっちゃいました。リメイク版!
先にいっておきます。
もうケイくんの周りのメンドイ設定は綺麗スッパリゴミ箱に放り込んできました^^
色んなネタがもう全解禁です^^
虎も出ずっぱりです^^
私ひとりがおいしいです←
これから試験終了までお付き合いよろしくお願いします!
2009/11/22 Naoto.R