「今日二人に来てもらったのは他でもない。あの忌々しい害虫を駆除するためである!」


落ち着きを取り戻したケイが神妙な面持ちで切り出した。
堅く拳を握り締め、強い決意を露にしているが、その理由はあまり大したことには思えない。




「ただの虫退治だけのためにわざわざ呼び出したのか?」
「ああ。だけどただの虫じゃない」
「?どういうこと?」
「まぁ、見れば分かるってv」



語尾を跳ね上がらせてセナが言った。
さっきからサラの頭の上には?が浮上しまくりだ。



「じゃぁ、逝くぞお前らぁ!!」


ケイが先頭を切って玄関の扉を開ける……。





(ケー、字が違うよ…)
(相当キてるみたいだね、イルミ)
(そろそろ壊れるんじゃない?)
(だねv)




イルミとセナの会話を後ろで聞いているとサラは不思議なことに気が付いた。

玄関のドアが前の鏡開きのモノに戻っているのだ。



(……あれ?なんでコレに戻ってるんだ…?)





「セナ…コレ…さぁ…」


扉を指差してセナに問いかけてみたが、「良くある事だよ、サラ。」と返されてしまった……。







(それはお前らの家だけだろうがッッ!!)



サラのツッコミは今日も冴えているようだ。






***








庭に出ると、草花に水遣りをしているシャナがいた。


「あらサラ、いらっしゃいv害虫駆除ご苦労様vv」


シャナは何時にも増して満面の笑みだ。
それもこれも“害虫”の所為なのは容易に予想が出来た。


「あ、あぁ……」


サラは少し背中が寒くなった。


この家では一体何が起こっているんだろうか……。
進んで考えたくはない。







4人はシャナと別れて、裏庭の方にまわった。



確かにナニか居る気配はする、しかしそれが何者なのかは検討もつかない。


「イルミ…お前はこの“害虫”見たことあるのか?」
「あるよ。というかよく憑いて来られからね……」
「??」
「サラも見たら、きっとコレの恐ろしさが解るさ……」
「…………」




イルミが恐れる生き物?
そんなものが今まで有っただろうか…。




見たいという好奇心が感情を占める傍ら、それに対する恐怖心が囁き始めた。






――ガサガサガサガサッッ!!!





全員に緊張が走った。
瞬時に草陰に身を潜める。


すると何所からともなく、唄が聞えてきた――。





〜〜♪…たち…だけにぃ…♪…きょうもぉ……られるぅ〜〜♪




「…歌?」
「やっと現れたな、害虫めッ!!」
「今日は何時にも増して数多いんじゃない?」
「虫篭虫篭っと」






…………一体何が現れたのだろうか……………。










To be continued...


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遅くなってごめんねー。
てか短いですね…;;何文字あるかなんて全然わからん……。

Written by Ryuga Naoto.