Act.01 〜Side Sena
















ここは様々な飲食店が立ち並ぶ通り、通称「食いだおれ街」
そこの店のひとつ、「らあめん大将軍」にセナは来ていた。
ここはセナの行き着けの一つなのだ。








〜〜♪〜♪〜〜♪〜





カウンターにおいてあったらセナの携帯が規則的なバイブレーションとともにメロディを奏でる。
らーめんを豪快に食べるセナは携帯の存在に全く気付いていないようだ。



「お、ダンナァ。携帯なってますぜ!」


代わりに気付いた店主がダンナ!ダンナァ!と人懐っこい笑みを浮かべて携帯を指差した。


「? ホントだ、誰だろ」


らーめんまだ途中なのに・・・と呟き渋々通話ボタンを押して電話に出た。
仕事の電話かと思いきや、電話の向こう側は以外な人物だった。




『もしもし?セナ、オレだよー。久しぶりーv』
「あ、ガレットか。どしたの?行き成り電話なんてしてきてさ」



知り合ってからというもの、ガレットとは歳が近い所為かすっかり意気投合(ガレットが懐いたという方が正しい?)し、
ちょくちょくも遊んでいる仲なのである。
そしてずずずーと会話の合間にもらーめんを食べる箸は休めないのは流石セナというべきだろうか。


『あのさー、セナ暇だべー?』
「まぁねー。それがどーしたの?」
『だからさ、久しぶりに一緒に遊ぼうよ!!』
「ふーん。いいけど。何所で遊ぶの?」
『天空闘技場!!今居るからさ!』
「闘技場かー、行った事ない。まぁいいや。わかったー」
『ホント!?やったぁーvv』




『じゃぁ、――に、闘技場のレストラン街入り口でね!』




一方的に場所を指定されて電話を切られてしまった。




「ふぅー・・・ガレットのやつ・・・・・・」
「ダンナ、お出かけですかい?」
「うん、久しぶりに友達が遊ぼうってさー」
「おぉ、いいじゃないですかい。ダチとつるむのもいいもんでさァ」

「・・・うん、そうだね」



空になったドンブリをトンッとカウンターに置いた。




「とりあえず・・・・・・おかわりー!」

「ほいきた、特大将軍大盛りィ!!」










(とりあえず、場所わかんないから家帰ってケーに送ってもらおっとv)


















+ + +













その数時間後・・・・セナご帰宅。




「ただいまー!」



大きい扉を開けて大きな声で帰宅を知らせる。
廊下を進んで、一番目のドアを開けるとシャナが出迎えてくれた。


「あら、おかえりなさい」
「シャナただいまぁ。ケー帰ってる?」
「えぇ、丁度さっき帰って来たところよ」



今部屋にいるんじゃないかしら、とシャナがお気に入りのティーカップを置きながら言う。



「そっかーじゃぁ、行ってくるね」



リビングダイニングを一端出て、中央の階段で二階へと上がり、
階段を上がりきって、右に折れて三番目のドアの扉をコンコンッとノックする。
(因みに一番目の部屋は空き部屋、二番目はケイのコレクション部屋になっている)


「ケーぇー、いーるー?頼みたいことがあるんだけど」
「あぁ、セナか。おかえり、開いてるぞ」




セナがドアを開けると、丁度ケイが熱帯魚に餌をやっているところだった。
セナが近くまでやってくると、わしゃわしゃと頭を撫でた。
(シスコンぶりは相変わらずのようです)



「おかえりセナ」
「んぅー、ただいま」

「で、頼みたいことってなんなんだ?」


撫でるのに満足したのか、シスk・・・・・・ケイがニコニコと話を切り出す。



「んとね、さっきガレットから遊ぼうって電話があったんだけど、場所わかんないから連れてって欲しいんだよね」
「あぁ、そんなことか、わかったぜ。何所に連れてけばいいんだ?」



「てんくーとうぎじょーってトコなんだけど…」



「・・・・は?」


「だから、てんくーとうぎじょー!」


「・・・・・・・・・て、ててて天空闘技場だとぉおお!!!!!!???」


「・・・う、うん」



なんで、そんなにケイが驚いたのかセナには全く分からなかった。


(俺・・・・おかしなこといったかなぁ・・?)




「・・・オレ、今回…どうしても闘技場に行かなきゃいけない運命なのかな・・・・」



ケイの目からぽつりと雫が落ちた。











+ + +











さかのぼること数時間前、今日の仕事も無事に終わり帰宅中の車内でのことだった。


〜〜ピロリロピロリロ・…


運転席のホルダーにおいてあった携帯が鳴った。

(・・・・・・いったい誰だよ)

サングラスを外し、携帯を開くとメインディスプレイには「新着メール1件」の表示がある。

(なんか嫌な予感がものごっつするんだが・・・・・)

恐る恐るメールフォルダを開くと・・・・・そこにはまごうことなき「From ヒソカ」の文字が・・・・・・・・・・・。


(え、なんだろ。仕事の依頼・・・とかじゃないよな。それならイルミのがプロだし・・・)


考えても思いつかないので、とりあえずメールの内容を見てみることにした。







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From:ヒソカ
Sub:

ボクいま天空闘技場にいるんだけど、
試合もヤる予定だから、見にこないかい?
面白いものが見れるかもしれないよ、ククク・・・

それと久しぶりに一緒に食事でもどうだい?
いい店知ってるんだ、奢るよ。

いい返事を期待してるよ◆

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・・・・・・・・・・・・・・・・迷惑メール以外の何者でもなかった。





「ってことがあったんだ・・・・・・・」
「うわぁ・・・・・変態だぁ・・・」


これにはセナも同情せずにはいられなかった。



「大丈夫?無理して送ってくれなくても、シャナに頼むし・・・」
「いや、シャナは今仕事立て込んでるらしいから、オレが行くさ・・・すぐに帰れば奴にも会わずにすむだろう・・・」
「・・・だといいよね・・・・・・・・」






げんなりした空気での出発となった。


















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セナサイドはこんなカンジで始まります。
時間軸的には、幕間の34と35の間の話になります。
クロロの依頼は引き伸ばしたってことです←
その辺は修正して書き直すのであんまり気にしないでください\(^o^)/

そして前から作ってたケイくんの熱帯魚飼ってる設定が使えてよかったです(´∀`*)



最後までお付き合いありがとうございました!!
09.05.11 Ryuga Naoto