Act.03
主役キルア他が、ケイの特製ケーキを舌鼓を打っているとレオリオが行き成り叫びだした。
断じて酒は入っていない。
「みなさん、お待ちかねのプレゼントターイム!!」
「それは違うぞレオリオ、待っていたのは我々ではなく、キルアだ。」
「んなことは、どーでもいいんだよ!クラピカ。」
「まぁまぁ、二人とも、落ち着いてよ。」
夫婦漫才もさながら、レオリオとクラピカの言い合いが始まる。
そして、お決まりのようにゴンが仲裁に入る、
その光景をキルアが嬉々として鑑賞、セナは出されたジュースを飲んでいる。
ケイはもちろん、前者である。
そんなこんなで、始まったプレゼントタイム。
一体、何が出てくるのでしょうか?
まず、ゴンから。
手に持っているのは、長細い包み。
「はい、コレ。」
「開けていいか?」
「うん。見てみて。」
ガサガサと周りの包みを剥がしていく。
すると中には、釣竿が入っていた。
「釣竿か?」
「うん、オレが作ったんだよ。」
「すげーな、これ!」
「今度、釣りにいこうね。」
「あぁ。」
釣竿のプレゼント。
しかも、ゴンのお手製、カナリのレアもの。
そして二番手は…。
「オレだ!」
「レオリオは何くれんの?」
「オレは…これだ!!」
そう、勢い良く取り出したのは…聴診器。
一体に何に使えと。
「一体に何に使うんだよ。」
「それは…だな。」
「縊り殺すとか。」
「そうそう…って!!」
語尾にハートマークを付けて、ケイがいった。
その場の居た、セナ以外が、自分のいた場所から一歩後退した。
大丈夫かこの男。
気を取り直して、三番手クラピカ。
「私からは、これだ。」
「何?この四角いの?」
「世界に繁殖する、動植物の図鑑だ。」
「ふ〜ん。ありがと。」
そして最後はセナである。
ケイはケーキがプレゼンなので、渡し済み。
「セナは何くれるんだ?」
「俺からは…これだ!!!」
これだ!!!っと言ってセナは、自分の被っている帽子を指差した。
「帽子がか?」
「いや、違うぞ。」
セナはそういうと、帽子を脱いだ。
そこには………セナのスキンヘッドが広がっていた。
その場の全員が一斉に吹き出す。
ケイに至っては、飲んだジュースを噴出しかけ、咽ている最中だ。
もがき苦しんでいる。
「あっ、間違えた。」
「間違えたんかい!!」
全員のツッコミがセナに入った。
だが、セナはもろともしない。
スキンヘッドのカツラをとると、その下には、金髪のロングヘアーが現れた。
取ったカツラは、テーブルの上に。
今度は金髪のロングを取ると……また、スキンヘッドのヅラが現れた!!
また、一斉に吹き出す。
暫く同じことが、続いた。
時には、ありえないような色のカツラ、また時には、アフロのカツラ。
代わる代わる出てくるカツラの間には、必ずスキンヘッドのカツラがある。
何故なんだろうか。
ケイは数分前、笑い死ぬ前にキルアの部屋を出て、イルミの部屋に逃げ込んだのでもういない。
死に物狂いで廊下を走っていったのを、カルトによって目撃されたとか。
――三十分後
ようやく、カツラを全て取り、いつもの髪型に戻ったセナ。
テーブルには、セナの脱いだカツラが山積みされている。
高さはざっと測って…二m。
よくもこんなに、被っていたものだ。
帽子の厚さは、五cmぐらいだったのに…。
セナの謎は深まるばかりである。
「俺からは、このカツラだ。変装術を磨けよ?」
キルアの部屋には、セナの声が何時までも響いていた。
こうして、キルアの誕生日会はセナの創り出した笑いで、幕引きとなった。
END